居抜きを活かせ!

居抜き物件の造作譲渡

「居抜き物件の造作譲渡」とは、現在その物件で営業している借主が、店舗を移転・閉店する際に、つぎの借主に対して、造作を譲渡することです。まだ充分に使える造作で、撤去するのは勿体ないと思われるときに、この手段が考えられます。

また、店内をスケルトンに戻すとなると、費用も多くかかってしまうので、経費削減という意味合いもあります。つぎの借主としても、初期費用をできるだけ安く抑えたいと考えているのであれば、利害が一致します。現借主は造作をいくらで提供するか、つぎの借主はいくらで造作を買い取るか、双方の話し合いがなされます。金額の面で折り合いがつかず、破談になることもあります。双方が双方の条件に納得し、話がまとまったとしても、まだ注意しなくてはならないことがあります。それは、通常の店舗契約ですと、店舗返却時には、「物件をスケルトンにしなくてはならない」という条件があるためです。現借主が造作譲渡を希望しても、貸主がそれを承諾しなければ、話は成り立ちません。

店舗を解約するときには、通常三ヵ月から六ヵ月以内に解約予告を管理会社に対しておこなわれなければなりません。その際に、つぎの借主に造作を譲渡したい旨を、管理会社に伝えることが必要です。例外はありますが、管理会社が仲立ちとなり、貸主にその件を相談してくれます。貸主から承諾されれば、解約日までに譲渡が可能となります。